2021年第1回定例会一般質問(2月25日)

  1.  ジェンダー平等社会の実現に向けて
     

世界経済フォーラムが毎年公表するジェンダーギャップ指数2020年版では、日本は153カ国中121位、G7では最低です。中でも政治分野は144位、経済分野は115位。女性の政治参加の低さや女性管理職の少なさ、家庭での女性の負担の多さ、伝統的な社会構造や風習が男女格差の原因と分析されています。様々な課題はありますが、政策決定における女性割合をあげることは、ジェンダー平等社会をめざす上で重要な視点です

例えば、世田谷区の女性管理職の登用状況はどうでしょうか。本会議場に出席する管理職51人中女性は8人、15.6%です。今年度も優秀な女性管理職の退職を控えていますが、部長級やしばらく女性が就いていない副区長なども視野に入れた世田谷区の戦略的な女性管理職登用が望まれます。

【質問】保坂区長は、3期10年区政に関わる中での、ジェンダー平等社会に向けた女性管理職の育成と登用についてどのように自己評価し、今後を展望するのか、お聞きします。

【答弁:保坂区長】現状の女性管理職の登用の自己評価、大変申し訳ないことに、かなり良い状況でないと認識しております。私は就任以来、一人ひとりの人権が尊重され、自らの意思に基づいて個性と能力を発揮できる、男女共同参画社会、これを実現するために取り組んでまいりました。

多様性を尊重した施策の展開のために、女性職員の活躍と、政策形成過程への女性の参画は大変重要だと考えています。

区では、係長級以上の管理監督的立場における女性職員の割合が、令和元年度に初めて特定事業主行動計画に定める37%という目標値を達成した一方で、女性管理職の割合は令和2年度現在20.2%と、国が掲げる目標である30%に届いていません。

先日、課長級管理職試験の合格者、ニューフェイスに激励する機会があったんですが、一言一言について受け止めたのと同時に見渡してみると、初めて女性がゼロだったと。大変ショッキングなことでした。総論で語るだけでなくて、この挑戦をしようと思えない理由や事情をしっかり私自身も把握して具体的な解決策をしっかり出していく必要があると思います。その上で、女性が自然に活躍できる職場風土をつくることとともに、キャリア形成の研修を通して昇任をする道を開くなど、女性の管理職比率の向上に努めていくのが世田谷区としての行政の質の向上にとって必要不可欠だと認識しております。 

 

ジェンダー平等に深刻な問題を抱える社会において、大きな影響を受けているのが、若年女性です。

厚労省の「困難な問題を抱えた女性への支援のあり方に関する検討会」は、コロナ以前の2019年10月に、中間まとめを公表、若年女性への支援の必要性を指摘しました。

また、若年女性へのコロナの影響を民間団体が調査したところ、予期せぬ妊娠に不安を抱える姿や、DVや虐待の被害、家庭に居場所がなく安全ではない実態、また経済的不安や精神的な不安が高まり再び始まってしまった自傷行為に悩む姿が見えてきました。強い希死念慮を持つ女性も複数です。

若年女性を支援する若草プロジェクトの理事は、「10代後半~20代の女性は、性的被害や性の商品化の対象にもなりやすいが、児童福祉法では守られない。警察にも摘発を恐れて相談できないなど、制度のはざまに落ちて支援が薄い世代だ」と指摘します。児童福祉法は18歳未満を対象としているために、法的な支援対象から抜け落ちてしまうために、困難を極めていくのです。これまで見過ごされてきた若年女性への支援が必要です。

【質問】区は若年女性への支援の必要性についてどのように把握し、どのように支援する考えなのかお聞きします。

【答弁:子ども若者部長】先日、「コロナ禍の若者の居場所」をテーマに、区も共催となり開催したオンライン交流会にて、せたがやチャイルドラインの方より、自殺願望の相談が前年と比較し激増していることや、昨年8月の国内の自殺者数が、女子中学生が前年比4倍、女子高校生は7.3倍であったなどのご報告があり、参加者で情報を共有したところです。

若年女性の支援につきましては、今後も青少年交流センターなどの若者の身近な居場所や関係機関が、日頃の活動や支援の中でSOSに気づく感度を高め連携し、悩みや課題が重篤になる前の支えとなるように取り組んでまいります。

また、「世田谷区子ども・若者支援協議会」の部会のひとつとして、保健所と教育委員会を事務局とした「思春期青年期精神保健部会」を設置し、若い世代の心の健康に関する課題等を総合的に議論しております。当部会におきまして、悩みを抱える若年女性への支援が適切に届く仕組みづくり等について検討してまいります。

 

また、家庭が安全な場所ではなく行き場のない若年女性への支援としては、安心できる居場所の提供が欠かせません。

【質問】現在、母子生活支援施設のあり方検討が進められていますが、困難さを抱えた若年女性の支援、とりわけ10代の女性への支援の視点を持つことが望まれます。見解をお聞きします。

【答弁】区では、区内3ヶ所の母子生活支援施設を充実させ、入所者だけではなく広くひとり親家庭等も含めて支えていく地域のひとり親家庭支援拠点を目指していくこととしました。

その中で、様々な問題を背景に抱え、家庭に居場所がないなど孤立した状況にある10代女性への早期支援も大きな課題であることから、今般、こうした方々を区立の母子生活支援施設における支援の対象とする方向性をお示ししたところです。

現在、庁内において母子生活支援施設の多機能化や質の維持・向上に向けた検討を進めておりますが、孤立した10代からの女性への支援として、緊急的な保護や一定期間の滞在型の支援などが想定される中で、どのような役割を担っていくことが必要か、若年女性支援を行なっている団体との連携等も視野に、必要な支援に向けた検討を進めてまいります。

 

2. インクルーシブ教育実現における区立教育総合センターの役割と政策のあり方について

この度、新しい教育総合センターの運営計画案が示されました。ICT教育や不登校、高校中退者への支援など新たな教育政策の取り組みには、期待が集まっています。

さらに期待されるのは、真のインクルーシブ教育をめざすと明言している世田谷区が、新しい教育総合センターからどのようにインクルーシブ教育実現に向けた取り組みを行なっていくのか、ということです。残念ながら運営計画案では、特別支援教育の推進が強調され、インクルーシブ教育実現にあたってどのような役割を果たすのかが明確になっていません。

【質問】*次の質問とまとめて答弁があり。

世田谷区がめざす真のインクルーシブ教育の実現において教育総合センターがどのような役割を果たすのか、お聞きします。

 区立の学校を訪問して学校長と話をすると、障害がある子どもが普通学級に通うことに対する認識に温度差があることを感じます。経験がないためなのか、障害がある子どもが自分の学校に通うことに戸惑う様子が伺えます。

また、学校(長)によっては、「普通学級に通うことは認めるけれども、学校としては何も出来ない」と話すケースもあり、保護者が悩んでいるという話が、入学や進級時になると必ず聞こえてきます。

実際、呼吸器を使用している子どもが普通学級に通うなど、障害がある子どもとない子どもが同じ教室で学ぶインクルーシブ教育が、世田谷区立の学校でも実践されています。しかし、それは障害児に対し理解ある校長や教員がいるから実現していると感じられる範囲です。実際に学校現場で実践されているインクルーシブ教育の実践事例を集め共有し、現時点で経験のない教員の理解と実践を広げることが必要ではないでしょうか。この点に関しては私の提案に対し検討すると教育長も答えています。

【質問】ぜひ、教育総合センターを事例の集積と研修の実施を行なう拠点とするべきです。区の考えをお聞きします。

【答弁:教育政策部長】教育総合センターでは、だれ一人置き去りにしない教育を推進することや、子どもたち一人ひとりの個性や特性を尊重し、インクルーシブ教育を推進することを運営計画に掲げており、今後の区におけるインクルーシブ教育の推進拠点として取り組みを進めてまいります。

教育総合センターでは、インクルーシブ教育の意義を理解し、学校現場においてインクルーシブ教育を実践する知識やスキルを有する教員の育成に取り組んでまいります。また、そのためにも、他自治体や区内の学校における先進的な取り組みの情報や、専門的な知識やノウハウなどの情報を集積し、全ての教員が共有することができデータベースを構築することなどを事業として位置付け取り組んでまいります。

 

あわせて、真のインクルーシブ教育への道筋を明らかに示していく必要があります。

例えば、1月に示された「世田谷区立小中学校特別支援学級等整備計画」案では、“はじめに”に、「障害のある子どもと障害のない子どもがお互いを理解し尊重しあえるインクルーシブ教育を推進する必要がある」と記し、締めくくりに「どの子どもも等しく認められ尊重されるインクルーシブ教育を推進する」とあります。ところが、計画の中身にはインクルーシブ教育を実現するための具体策はなく、これまで同様の分離教育・特別支援教育が明記されるのみです。

真のインクルーシブ教育の実現は、繰り返し明言されている世田谷区の重要な政策の柱です。

各計画が改定となり、教育ビジョンも調整計画が策定されるこの時期に、世田谷区が今後どのようにインクルーシブ教育を推進し、実現していくのかを具体的にする必要があります。

【質問】今後の世田谷区におけるインクルーシブ教育実現への道筋を明確にすることを求めます。見解をお聞きします。

【答弁:教育政策部長】全ての子どもが地域の学校で一緒に学ぶことができるインクルーシブ教育の実現に向け、教育環境のバリアフリー化やICTなどを活用した合理的配慮の充実、障害理解教育の推進、教育総合センターにおける教員の専門性の向上と人材育成など、ハード・ソフトの両面から検討を行ない、令和4年度からの第2次世田谷区教育ビジョン調整計画に反映させてまいります。

引き続き、全ての子どもたちが共に学び、一人の人間として等しく認められ、尊重される学校教育の実現に向け、取り組みを進めてまいります。

 

3. 人権尊重の視点に立った成年後見制度のあり方について

現在、区は、「成年後見制度利用促進基本計画」を策定中です。例えば、認知症などで本人の判断能力が低下した場合に、財産などの管理を任せるための制度です。しかし、後見人が不当に被後見人の権利を制限することがあるなど、トラブルが報告されています。区が制度を促進する立場に立つならば、制度の問題点について把握する必要があります。

【質問】成年後見制度の問題点をどのように把握しているのかお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見制度は、認知症や知的障害などにより判断能力が不十分となり、自分一人では契約や財産の管理等をすることが困難な場合に、本人の権利を守る援助者として成年後見人を選び、法律的に支援する制度でございます。

成年後見センターでは、成年後見制度について専門家が説明する老い支度講座や成年後見セミナー、区民成年後見人養成研修などを実施して、制度の正しい理解促進に取り組んでまいりました。

一方、新聞報道等によると、被後見人の要望に沿わず後見人が権利を制限している事例もあり、成年後見制度の問題点として認識しております。

今年度末に策定する青年後見利用促進基本計画では、後見人を受任している弁護士や支援機関などで構成する「地域連携ネットワーク会議」を 開催することとしており、事例の共有や本人の人権擁護のあり方について、議論を深める取り組みを構築してまいります。

 

 成年後見制度の問題点は、必要最低限の支出しか認められないために旅行に行きたくてもお金を出してもらえない、専門職が後見人になると被後見人が死亡するなど後見終了まで報酬が発生する、被後見人が後見人や制度が合わないからやめたいと思っても途中で利用を止めることが出来ない、などです。

 後見制度は「後見」だけではなく、「保助」「補佐」の利用が考えられます。また、相続の手続きなど1つの案件だけ支援が必要だとしたら弁護士への依頼で済むこともあるようです。要は、本人の選択する権利を十分に活かしながら財産などを守る手伝いが出来ればいいのです。

現在、世田谷区では促進計画を策定中ですが、この制度の活用においては、制度の抱える課題にも目を向け、成年後見制度が本来めざしているはずの、本人の人権の尊重と自己選択権の保障をする制度とするように細心の注意を払う必要があります。

【質問】利用促進自体が目的にならないことが重要です。区の基本的な考えをお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見制度は、被後見人が自分らしく地域で安心して暮らし続けられるように、その方の権利を守り、法的に支援する制度であり、人権を不当に制限するものであってはならないと考えております。

成年後見センターでは、ご親族などからの相談に対し、ご本人の要望や状況等をしっかり確認した上で、場合により、日常的な金銭管理等を行なう「あんしん事業」をお勧めするなど、その方の状況や必要性に応じた対応をしております。

また、成年後見センターで後見人等の候補者を検討する際は、弁護士や司法書士などの法律家だけではなく、ご本人の病状や状態に配慮して、社会福祉士や精神保健福祉士なども含め検討し、また場合により複数の候補者とするなど、ご本人の尊厳や意思を尊重した支援になるよう取り組んでまいります。

 

【質問】また、区が後見制度を利用することは強く促し支援しながらも、制度利用後に何かあっても頼れないことは問題です。後見制度を利用する被後見人が、後見人とのトラブルなど問題を抱えた場合に、被後見人や家族などの立場になり相談できる機能が必要です。区の見解をお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見センターでは、ご本人やご家族、支援者からの様々な相談に対応するため、センター職員による電話や窓口での相談受け付け、弁護士による無料相談である「あんしん法律相談」の実施、また、区内5地域での「地域版成年後見制度相談会」の実施など、相談しやすい環境整備に努めております。

成年後見制度利用促進基本計画においては、成年後見センターを権利擁護支援、利用促進に向けた中核機関として位置付け、広報機能、相談機能、後見人支援機能等を担う中核的な役割を果たしていくこととしております。

問題を抱えた被後見人や家族などからの相談については、成年後見センターが中核機関としての役割を担うことともに、各保健福祉センターやあんしんすこやかセンターと連携して、役割分担をするなど家族全体のフォロー体制を充実し、支援してまいります。


 

【再質問】

成年後見制度を利用する基本的な姿勢として憲法13条の自己決定権の保障を念頭においた制度利用とならなくては、制度を真の意味がないと考えます。

区は、センターを設置しこの制度を促進しようとしていますが、被後見人と後見人の間で問題が生じたときに、被後見人の立場はとても弱いのが現行制度です。本制度を促進していこうとするならば、万が一問題が起きた時に被後見人の立場に立って相談を受けられる場所も同時に持つ必要があるのではないでしょうか。

被後見人が後見人の支援に対し、不満を持った場合などに相談するところはありません。

成年後見センターに相談場所を設ける必要があります。現在策定中の計画にも明示し、相談機能を設置することを求めます。

【答弁:保健福祉政策部長】区は、令和3年度から成年後見センターを成年後見制度を運営していくための中核機関として位置付け、相談機能等の充実を図ることとしています。その中で、後見人が選任された後のトラブルに関する相談についても成年後見センターで対応するとともに、後見人選定後の相談窓口の周知を図ってまいります。

また、後見人が選任された後に、ご本人の要望に沿わない事例等のトラブル相談を受けた場合は、弁護士や司法書士、社会福祉士の専門職のほか、介護事業者、医療機関などで構成される地域連携ネットワーク会議を活用して、情報共有やモニタリングを行い、アフターフォローに努めてまいります。

以上のことについて、成年後見利用促進基本計画にも盛り込んでまいります。

 

以上

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  1.  ジェンダー平等社会の実現に向けて
     

世界経済フォーラムが毎年公表するジェンダーギャップ指数2020年版では、日本は153カ国中121位、G7では最低です。中でも政治分野は144位、経済分野は115位。女性の政治参加の低さや女性管理職の少なさ、家庭での女性の負担の多さ、伝統的な社会構造や風習が男女格差の原因と分析されています。様々な課題はありますが、政策決定における女性割合をあげることは、ジェンダー平等社会をめざす上で重要な視点です

例えば、世田谷区の女性管理職の登用状況はどうでしょうか。本会議場に出席する管理職51人中女性は8人、15.6%です。今年度も優秀な女性管理職の退職を控えていますが、部長級やしばらく女性が就いていない副区長なども視野に入れた世田谷区の戦略的な女性管理職登用が望まれます。

【質問】保坂区長は、3期10年区政に関わる中での、ジェンダー平等社会に向けた女性管理職の育成と登用についてどのように自己評価し、今後を展望するのか、お聞きします。

【答弁:保坂区長】現状の女性管理職の登用の自己評価、大変申し訳ないことに、かなり良い状況でないと認識しております。私は就任以来、一人ひとりの人権が尊重され、自らの意思に基づいて個性と能力を発揮できる、男女共同参画社会、これを実現するために取り組んでまいりました。

多様性を尊重した施策の展開のために、女性職員の活躍と、政策形成過程への女性の参画は大変重要だと考えています。

区では、係長級以上の管理監督的立場における女性職員の割合が、令和元年度に初めて特定事業主行動計画に定める37%という目標値を達成した一方で、女性管理職の割合は令和2年度現在20.2%と、国が掲げる目標である30%に届いていません。

先日、課長級管理職試験の合格者、ニューフェイスに激励する機会があったんですが、一言一言について受け止めたのと同時に見渡してみると、初めて女性がゼロだったと。大変ショッキングなことでした。総論で語るだけでなくて、この挑戦をしようと思えない理由や事情をしっかり私自身も把握して具体的な解決策をしっかり出していく必要があると思います。その上で、女性が自然に活躍できる職場風土をつくることとともに、キャリア形成の研修を通して昇任をする道を開くなど、女性の管理職比率の向上に努めていくのが世田谷区としての行政の質の向上にとって必要不可欠だと認識しております。 

 

ジェンダー平等に深刻な問題を抱える社会において、大きな影響を受けているのが、若年女性です。

厚労省の「困難な問題を抱えた女性への支援のあり方に関する検討会」は、コロナ以前の2019年10月に、中間まとめを公表、若年女性への支援の必要性を指摘しました。

また、若年女性へのコロナの影響を民間団体が調査したところ、予期せぬ妊娠に不安を抱える姿や、DVや虐待の被害、家庭に居場所がなく安全ではない実態、また経済的不安や精神的な不安が高まり再び始まってしまった自傷行為に悩む姿が見えてきました。強い希死念慮を持つ女性も複数です。

若年女性を支援する若草プロジェクトの理事は、「10代後半~20代の女性は、性的被害や性の商品化の対象にもなりやすいが、児童福祉法では守られない。警察にも摘発を恐れて相談できないなど、制度のはざまに落ちて支援が薄い世代だ」と指摘します。児童福祉法は18歳未満を対象としているために、法的な支援対象から抜け落ちてしまうために、困難を極めていくのです。これまで見過ごされてきた若年女性への支援が必要です。

【質問】区は若年女性への支援の必要性についてどのように把握し、どのように支援する考えなのかお聞きします。

【答弁:子ども若者部長】先日、「コロナ禍の若者の居場所」をテーマに、区も共催となり開催したオンライン交流会にて、せたがやチャイルドラインの方より、自殺願望の相談が前年と比較し激増していることや、昨年8月の国内の自殺者数が、女子中学生が前年比4倍、女子高校生は7.3倍であったなどのご報告があり、参加者で情報を共有したところです。

若年女性の支援につきましては、今後も青少年交流センターなどの若者の身近な居場所や関係機関が、日頃の活動や支援の中でSOSに気づく感度を高め連携し、悩みや課題が重篤になる前の支えとなるように取り組んでまいります。

また、「世田谷区子ども・若者支援協議会」の部会のひとつとして、保健所と教育委員会を事務局とした「思春期青年期精神保健部会」を設置し、若い世代の心の健康に関する課題等を総合的に議論しております。当部会におきまして、悩みを抱える若年女性への支援が適切に届く仕組みづくり等について検討してまいります。

 

また、家庭が安全な場所ではなく行き場のない若年女性への支援としては、安心できる居場所の提供が欠かせません。

【質問】現在、母子生活支援施設のあり方検討が進められていますが、困難さを抱えた若年女性の支援、とりわけ10代の女性への支援の視点を持つことが望まれます。見解をお聞きします。

【答弁】区では、区内3ヶ所の母子生活支援施設を充実させ、入所者だけではなく広くひとり親家庭等も含めて支えていく地域のひとり親家庭支援拠点を目指していくこととしました。

その中で、様々な問題を背景に抱え、家庭に居場所がないなど孤立した状況にある10代女性への早期支援も大きな課題であることから、今般、こうした方々を区立の母子生活支援施設における支援の対象とする方向性をお示ししたところです。

現在、庁内において母子生活支援施設の多機能化や質の維持・向上に向けた検討を進めておりますが、孤立した10代からの女性への支援として、緊急的な保護や一定期間の滞在型の支援などが想定される中で、どのような役割を担っていくことが必要か、若年女性支援を行なっている団体との連携等も視野に、必要な支援に向けた検討を進めてまいります。

 

2. インクルーシブ教育実現における区立教育総合センターの役割と政策のあり方について

この度、新しい教育総合センターの運営計画案が示されました。ICT教育や不登校、高校中退者への支援など新たな教育政策の取り組みには、期待が集まっています。

さらに期待されるのは、真のインクルーシブ教育をめざすと明言している世田谷区が、新しい教育総合センターからどのようにインクルーシブ教育実現に向けた取り組みを行なっていくのか、ということです。残念ながら運営計画案では、特別支援教育の推進が強調され、インクルーシブ教育実現にあたってどのような役割を果たすのかが明確になっていません。

【質問】*次の質問とまとめて答弁があり。

世田谷区がめざす真のインクルーシブ教育の実現において教育総合センターがどのような役割を果たすのか、お聞きします。

 区立の学校を訪問して学校長と話をすると、障害がある子どもが普通学級に通うことに対する認識に温度差があることを感じます。経験がないためなのか、障害がある子どもが自分の学校に通うことに戸惑う様子が伺えます。

また、学校(長)によっては、「普通学級に通うことは認めるけれども、学校としては何も出来ない」と話すケースもあり、保護者が悩んでいるという話が、入学や進級時になると必ず聞こえてきます。

実際、呼吸器を使用している子どもが普通学級に通うなど、障害がある子どもとない子どもが同じ教室で学ぶインクルーシブ教育が、世田谷区立の学校でも実践されています。しかし、それは障害児に対し理解ある校長や教員がいるから実現していると感じられる範囲です。実際に学校現場で実践されているインクルーシブ教育の実践事例を集め共有し、現時点で経験のない教員の理解と実践を広げることが必要ではないでしょうか。この点に関しては私の提案に対し検討すると教育長も答えています。

【質問】ぜひ、教育総合センターを事例の集積と研修の実施を行なう拠点とするべきです。区の考えをお聞きします。

【答弁:教育政策部長】教育総合センターでは、だれ一人置き去りにしない教育を推進することや、子どもたち一人ひとりの個性や特性を尊重し、インクルーシブ教育を推進することを運営計画に掲げており、今後の区におけるインクルーシブ教育の推進拠点として取り組みを進めてまいります。

教育総合センターでは、インクルーシブ教育の意義を理解し、学校現場においてインクルーシブ教育を実践する知識やスキルを有する教員の育成に取り組んでまいります。また、そのためにも、他自治体や区内の学校における先進的な取り組みの情報や、専門的な知識やノウハウなどの情報を集積し、全ての教員が共有することができデータベースを構築することなどを事業として位置付け取り組んでまいります。

 

あわせて、真のインクルーシブ教育への道筋を明らかに示していく必要があります。

例えば、1月に示された「世田谷区立小中学校特別支援学級等整備計画」案では、“はじめに”に、「障害のある子どもと障害のない子どもがお互いを理解し尊重しあえるインクルーシブ教育を推進する必要がある」と記し、締めくくりに「どの子どもも等しく認められ尊重されるインクルーシブ教育を推進する」とあります。ところが、計画の中身にはインクルーシブ教育を実現するための具体策はなく、これまで同様の分離教育・特別支援教育が明記されるのみです。

真のインクルーシブ教育の実現は、繰り返し明言されている世田谷区の重要な政策の柱です。

各計画が改定となり、教育ビジョンも調整計画が策定されるこの時期に、世田谷区が今後どのようにインクルーシブ教育を推進し、実現していくのかを具体的にする必要があります。

【質問】今後の世田谷区におけるインクルーシブ教育実現への道筋を明確にすることを求めます。見解をお聞きします。

【答弁:教育政策部長】全ての子どもが地域の学校で一緒に学ぶことができるインクルーシブ教育の実現に向け、教育環境のバリアフリー化やICTなどを活用した合理的配慮の充実、障害理解教育の推進、教育総合センターにおける教員の専門性の向上と人材育成など、ハード・ソフトの両面から検討を行ない、令和4年度からの第2次世田谷区教育ビジョン調整計画に反映させてまいります。

引き続き、全ての子どもたちが共に学び、一人の人間として等しく認められ、尊重される学校教育の実現に向け、取り組みを進めてまいります。

 

3. 人権尊重の視点に立った成年後見制度のあり方について

現在、区は、「成年後見制度利用促進基本計画」を策定中です。例えば、認知症などで本人の判断能力が低下した場合に、財産などの管理を任せるための制度です。しかし、後見人が不当に被後見人の権利を制限することがあるなど、トラブルが報告されています。区が制度を促進する立場に立つならば、制度の問題点について把握する必要があります。

【質問】成年後見制度の問題点をどのように把握しているのかお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見制度は、認知症や知的障害などにより判断能力が不十分となり、自分一人では契約や財産の管理等をすることが困難な場合に、本人の権利を守る援助者として成年後見人を選び、法律的に支援する制度でございます。

成年後見センターでは、成年後見制度について専門家が説明する老い支度講座や成年後見セミナー、区民成年後見人養成研修などを実施して、制度の正しい理解促進に取り組んでまいりました。

一方、新聞報道等によると、被後見人の要望に沿わず後見人が権利を制限している事例もあり、成年後見制度の問題点として認識しております。

今年度末に策定する青年後見利用促進基本計画では、後見人を受任している弁護士や支援機関などで構成する「地域連携ネットワーク会議」を 開催することとしており、事例の共有や本人の人権擁護のあり方について、議論を深める取り組みを構築してまいります。

 

 成年後見制度の問題点は、必要最低限の支出しか認められないために旅行に行きたくてもお金を出してもらえない、専門職が後見人になると被後見人が死亡するなど後見終了まで報酬が発生する、被後見人が後見人や制度が合わないからやめたいと思っても途中で利用を止めることが出来ない、などです。

 後見制度は「後見」だけではなく、「保助」「補佐」の利用が考えられます。また、相続の手続きなど1つの案件だけ支援が必要だとしたら弁護士への依頼で済むこともあるようです。要は、本人の選択する権利を十分に活かしながら財産などを守る手伝いが出来ればいいのです。

現在、世田谷区では促進計画を策定中ですが、この制度の活用においては、制度の抱える課題にも目を向け、成年後見制度が本来めざしているはずの、本人の人権の尊重と自己選択権の保障をする制度とするように細心の注意を払う必要があります。

【質問】利用促進自体が目的にならないことが重要です。区の基本的な考えをお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見制度は、被後見人が自分らしく地域で安心して暮らし続けられるように、その方の権利を守り、法的に支援する制度であり、人権を不当に制限するものであってはならないと考えております。

成年後見センターでは、ご親族などからの相談に対し、ご本人の要望や状況等をしっかり確認した上で、場合により、日常的な金銭管理等を行なう「あんしん事業」をお勧めするなど、その方の状況や必要性に応じた対応をしております。

また、成年後見センターで後見人等の候補者を検討する際は、弁護士や司法書士などの法律家だけではなく、ご本人の病状や状態に配慮して、社会福祉士や精神保健福祉士なども含め検討し、また場合により複数の候補者とするなど、ご本人の尊厳や意思を尊重した支援になるよう取り組んでまいります。

 

【質問】また、区が後見制度を利用することは強く促し支援しながらも、制度利用後に何かあっても頼れないことは問題です。後見制度を利用する被後見人が、後見人とのトラブルなど問題を抱えた場合に、被後見人や家族などの立場になり相談できる機能が必要です。区の見解をお聞きします。

【答弁:保健福祉政策部長】成年後見センターでは、ご本人やご家族、支援者からの様々な相談に対応するため、センター職員による電話や窓口での相談受け付け、弁護士による無料相談である「あんしん法律相談」の実施、また、区内5地域での「地域版成年後見制度相談会」の実施など、相談しやすい環境整備に努めております。

成年後見制度利用促進基本計画においては、成年後見センターを権利擁護支援、利用促進に向けた中核機関として位置付け、広報機能、相談機能、後見人支援機能等を担う中核的な役割を果たしていくこととしております。

問題を抱えた被後見人や家族などからの相談については、成年後見センターが中核機関としての役割を担うことともに、各保健福祉センターやあんしんすこやかセンターと連携して、役割分担をするなど家族全体のフォロー体制を充実し、支援してまいります。


 

【再質問】

成年後見制度を利用する基本的な姿勢として憲法13条の自己決定権の保障を念頭においた制度利用とならなくては、制度を真の意味がないと考えます。

区は、センターを設置しこの制度を促進しようとしていますが、被後見人と後見人の間で問題が生じたときに、被後見人の立場はとても弱いのが現行制度です。本制度を促進していこうとするならば、万が一問題が起きた時に被後見人の立場に立って相談を受けられる場所も同時に持つ必要があるのではないでしょうか。

被後見人が後見人の支援に対し、不満を持った場合などに相談するところはありません。

成年後見センターに相談場所を設ける必要があります。現在策定中の計画にも明示し、相談機能を設置することを求めます。

【答弁:保健福祉政策部長】区は、令和3年度から成年後見センターを成年後見制度を運営していくための中核機関として位置付け、相談機能等の充実を図ることとしています。その中で、後見人が選任された後のトラブルに関する相談についても成年後見センターで対応するとともに、後見人選定後の相談窓口の周知を図ってまいります。

また、後見人が選任された後に、ご本人の要望に沿わない事例等のトラブル相談を受けた場合は、弁護士や司法書士、社会福祉士の専門職のほか、介護事業者、医療機関などで構成される地域連携ネットワーク会議を活用して、情報共有やモニタリングを行い、アフターフォローに努めてまいります。

以上のことについて、成年後見利用促進基本計画にも盛り込んでまいります。

 

以上